うつの症状に気づいたら、そのことについて話をしてみましょう。本人の話にじっくり耳を傾け、うつの症状によっては休養や治療を勧めましょう。判断や対応に困るときは、ひとりで抱え込まず、専門家に相談しましょう。
- 慌てず、ゆとりを持って話を
時間的にゆとりを持ち、ゆったりとした場所で話を聞きましょう。 - プライバシーに配慮を
本人の精神的な問題に触れることから、プライバシーに十分注意しましょう。 - 共感しながら話を
つらい気持ちに共感し、気持ちに寄り添いながら、話にじっくり耳を傾けましょう。 - 励まさないように
励まさないで、相手のペースで話を進めましょう。 - 真摯に話を引き出す
相手がいろいろな話を気軽にできるように、真摯な態度で応対しましょう。 - 問題点を一緒に考える
具体的な問題を整理し解決方法を一緒に考えましょう。その場しのぎの解決を急ぐ必要はありません。また、あまり原因ばかりを追求しすぎないようにしましょう。
うつ病を治すには、家族のサポートが大切です。適度な距離感で本人に関心を持ち今までどおりに接しましょう。ゆったり話しを聴くことも重要です。
- 心配しすぎない
気を遣いすぎると、言動がぎこちなくなりがちです。心配しすぎず、今までどおり普通に接することが大切です。 - 励ましすぎない
本人のペースを大切にし、励ましすぎないようにしましょう。「がんばれ」などと励ましたり、「しっかりしろ」と叱ったりするのは禁物です。 - 原因を追求しすぎない
つらいことが続くと、「私の性格が悪い」、「親の育て方が悪かった」と本人はもちろん家族もその原因を追求しがちになります。悪者探しになると、家族や職場などでの人間関係がぎくしゃくして、問題解決が難しくなります。原因について、あまり考えすぎないようにしましょう。 - 重大な決定は先延ばしに
落ち込んでいるときは、本人も家族もマイナス思考になりがちです。退職や離婚など重大な決定は、症状がよくなるまで先延ばしにするよう、本人にアドバイスしましょう。 - ゆっくりと休ませる
本人が疲れているときは、心身ともに休ませてあげましょう。できるだけ、ゴロゴロしていることが回復への近道と理解し、家族もあせらずに見守りましょう。 - 安心して薬の服用を続けられるように
うつ病には抗うつ薬による治療が効果的です。家族は服薬の重要性を理解し、本人が服用し続けられるようにサポートしましょう。 - 時には距離を置き、やさしく見守る
うつ病の症状によっては、家族への甘えや攻撃的な態度をとることがあります。時には本人と距離を置き、見守る環境をつくりましょう。そうすると、家族として客観的な判断もできます。
同僚や友人は、普段と違うサインに気をつけましょう。日々の何気ないあいさつや声かけにより普段から話しやすい関係づくりを心がけましょう。
- 本人の心の不調に気づく
本人の異変に気づいたら、まず声をかけてみましょう。 - 悩みをじっくり聞いてあげる
解決やアドバイスを急がず、本人の悩みをじっくり聞いてあげましょう。 - 本人の承諾を得て、保健スタッフに相談
問題が整理されたら、職場内の保健スタッフや人事・労務担当者へ報告・相談し、協力して問題の解決を図りましょう(事前に本人の承諾を得るように)
相談や受診のすすめ方
- 病気を否定するときには‥‥
- うつ病の疑いがあって、本人に聞いても「疲れているだけ」、「原因はわかっています」と病気を否定しがちです。本人の気持ちを受けとめ、やさしく対応しましょう。
本人の気持ちが落ち着いたところで、うつ病は、弱さや怠けではなく、誰でもかかる可能性のある病気であることや、治療と休養で楽になる可能性の高いことを説明し、早めに専門機関に相談したほうがいいことを伝えましょう。 - 精神科の受診に抵抗を感じているときには‥‥
- 本人にうつ病についての理解が得られても、実際に精神科で受診となると躊躇する場合が少なくありません。うつ病の治療のほとんどが通院で行われていることや、精神科の治療や薬の服用などについて、本人に根気強く説明し、不安を取り除くことが大切です。事前に家族が精神科の病院や診療所などに相談し、医師に助言してもらうのもいいでしょう。
- 薬を飲むことへの抵抗が強いときには‥‥
- うつ病は、脳内の神経伝達物質の働きに変調が起きることが原因とされています。その変調を調節するには、薬の服用が有効ですが、うつ病にかかっている人は「薬を飲んでも効かないのでは」、「薬の副作用が心配」「一生薬を飲み続けなければならないのではないか」等と服用することに抵抗感を抱く場合があります。
本人には、医師の指示を受けながら服用すれば、薬の副作用は心配ないということを理解してもらうことが大切です。また、薬は上手に利用して生活しやすくするものと理解してもらいましょう。