うつ病を治すことで自殺を防ぐことができます。
自殺企図者と精神障害の関係
自殺者の多くは、自殺の直前にうつ病等の精神疾患を発症しています。自殺は個人の自由な意思や選択の結果と思われがちですが、その背景には過労やリストラ、経済問題などさまざまな社会的な要因が複雑に関係しています。自殺は、社会全体で取り組んでいかなければならない大きな問題なのです。
自殺は特別な人の問題ではなく、誰にでも起こりうることです。だからこそ、ひとりひとりが自殺予防の主役となって、みんなが助け合える社会、生きやすい社会をつくりましょう。
注意:論文では、「狭義の精神障害」と「広義の精神障害」が次のように定義されている。なお、分裂症、人格障害という名称は、それぞれ統合失調症、パーソナリティ障害と変更され、現在は使用されない。
○狭義の精神障害
分裂病・妄想性障害、うつ病、精神作用物質性障害(アルコール症、覚せい剤、有機溶剤)
○広義の精神障害
抑うつ性障害圏(うつ病、反応性・神経症性抑うつ状態など)、精神病圏(精神分裂病、分裂
・感情障害、分裂病型人格障害、妄想性障害、その他の近縁する精神障害など)、物質乱用性
障害圏(アルコール症、覚せい剤、有機溶剤などに関連する精神障害)
資料:自殺の危険因子としての精神障害
−生命的危険性の高い企図手段をもちいた自殺失敗者の診断学的検討−
飛鳥井望(精神神経誌 96:415-443,1994)
自殺者の推移
日本では、年間3万人ほどの方が自殺で亡くなっています。富山県の自殺死亡者数は、平成10年に341人と急増し、15年には過去最多の356人、19年には277人となっています。自殺死亡率(対人口10万人)をみると、19年が25.3と全国平均(24.4)を上回っており、全国24番目の高さとなっています。